| 千の風に報告 |
2008-08-15 10:34:12 |
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お盆です。
街中が静かになり、普段とは違った趣で、年中行事の中でもお正月とならんで特別のものがあるように感じます。
今日は、父の喫煙と禁煙を書きます。
父は若いときからヘビースモーカーで、年がら年中煙を吹かしていました。それが、20年ほど前、突然禁煙しました。理由を聞いても一切答えないし、母に聞いても理由は不明のままでした。ちょうど、わたしが禁煙を止めた時期と重なっていたので、自分に対する当て付けかと勘ぐった事もありましたが、どうもそうではなかったようです。
昨年の7月のことでした。1時間ほど散歩をし、シャワーを浴び、一服しながら父と話をするとういのが朝の習慣だったわたしは、その朝も居間でタバコを吸っていました。父はお茶を飲みながら、新聞を読んでいました。
父が禁煙してからまったくなかったのですが、なぜか急に、そのときに限って、タバコを勧めたくなりました。
「1本吸う?」 タバコの吸い口を箱から3分の1ほど出して父に勧めました。
そのときの、父の表情が今でも目に焼きついています。
突然勧められ、ちょっと戸惑いながらも少し眩しそうに目を細めてタバコを見つめていたが、すぐ手を左右に振って「いや、もうタバコはいらない」ときっぱりとした口調で言いました。
「あっそう」わたしもそれ以上強いて勧めようとはしませんでした。
それから10日ほどして、文字通り忽然と父が旅立ちました。
亡くなる前夜、普段通り晩酌、そして夕食。就寝前の読書。いつも通りの生活でした。それが翌朝には……
慌しく、通夜、告別式となりましたがその納棺のとき、遺品を棺に納め蓋を閉めようとしたとき、親類の人が「タバコ、タバコ」と言い出しました。父の喫煙を覚えていたのでした。
わたしは「いや、もうタバコは必要ないのです」と断りました。わずか10日前に父と話したばかりだったからです。そう言って最後に見た父の顔が、莞爾と微笑んでいるように見えました。
あれから早1年。亡き父の新盆です。いま、わたしが禁煙の生活を送っています。あのとき、まだ喫煙者だったわたしが禁煙を志すきっかけはこの時芽生えたのかもしれません
(オヤジのように死ぬまで禁煙できるか今は分からない。でも、タバコと縁のない生活が送れそうだ。いつかオレがいくまで、そちらの世界で見守っていてくれ)
千の風にいま報告です。
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